【FDA対応が不十分だと輸出が止まる?】 今さら聞けない「施設登録」と「製品リスト」の違いと義務化の背景
2023年12月、米国における化粧品規制が大きく変わりました。 「MoCRA(Modernization of Cosmetics Regulation Act)」という新法が施行され、化粧品を米国市場に流通させる企業は、これまで以上に厳格な登録義務を課せられることになりました。
ここで注意すべきなのが、「施設登録(Facility Registration)」と「製品リスト提出(Cosmetic Product Listing)」は別々の手続きであり、どちらか片方だけでは不十分だということです。
施設登録とは?
「どこで化粧品が製造・加工されているのか」をFDAに届け出る手続きです。対象となるのは、米国市場に流通する化粧品の製造・加工を行うすべての施設(日本国内を含む)です。登録にはFEI番号が必要で、2年ごとの更新が義務付けられています。
製品リスト提出とは?
実際に市場で販売される「製品ごとの情報」をFDAに届け出る手続きです。製品名、カテゴリ、INCI成分、包装形態などを登録します。こちらは年1回の更新が求められています。責任表示(ラベル)に記載された企業(Responsible Person)が申請者となります。
なぜ両方必要なのか?
FDAは「どこで、どんな化粧品が作られ、市場に流通しているか」を正確に把握する必要があります。
- 施設登録:製造現場の衛生・安全性を監視
- 製品リスト:成分による健康リスク、回収対応の迅速化
どちらか片方でも欠けていると、規制違反とみなされ、 最悪の場合、輸出停止や販売差し止めのリスクが生じます。
MoCRA違反のリスクとは?
2024年7月以降、FDAはMoCRAに基づいた強制執行を開始するとされています。違反施設には、
- 通関時の輸入拒否
- 製品の回収命令
- 警告書の発行 など、ビジネスインパクトの大きな措置が取られる可能性があります。
実務対応に困ったら
施設登録と製品リストはどちらもCosmetics DirectというFDA公式システムからオンラインで提出しますが、
- FEI番号の取得
- U.S. Responsible Personの設置
- INCI成分リストの英語化 など、日本企業にとってはハードルの高い要素が多くあります。
アメビズドットネットでは、MoCRA対応をトータルでサポートしています。 「何から始めればいいかわからない」という方は、まずは一度ご相談ください。
FDA登録は義務化された今、やらない理由はありません。 対応を怠ることで、長年築いてきた米国市場との信頼関係を一瞬で失う可能性があります。ぜひ早めの準備を。
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